サンタになりたい

 

 

 

 

 

 

 

12月25日  AM 8:00

 

 

 

 

 

 

「翼、起きて。」

 

 

学校が冬休みに入って、2・3日が過ぎた。

貴重な休みを、睡眠時間として利用している俺を玲が揺すって起こす。

休みに早く起こされた日は寝起きが悪い。

 

いつもだけど。

 

 

「電話よ翼。」

「何だよ、柾輝達なら寝てるって言って。」

 

どうせ練習しよとかそんなんだろ。

昨日もしたんだから、今日くらい休んだって良いじゃないか。

 

 

「あなた、折角のクリスマスを寝て過ごすつもりなの?」

「男と過ごすつもりはないよ。」

 

布団に顔を埋めながら面倒臭そうに言う俺。

暫く無言だった玲が、ドアの方へ歩いて行く音がする。

ドアを開けて、閉める音が返ってくるかと思いきや。

 

 

「じゃぁ、断っていいのね。ちゃんだけど。」

 

 

 

 

 

 

「待って玲!!」

「何よ、断るんでしょ?」

「それは柾輝達だったらの場合だろ!?もう、そこどいて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で。

 

何で俺はこんな寒い中、一人で公園にいるんだよ?

 

 

『今日の夕方6時に、あの公園に来てよね!』

 

 

 

「あの公園」っていうのは、俺の家とあいつの家の調度真ん中にある公園で、

今俺がいるここのこと。

6時に来いとか言った本人は10分過ぎた今も来ていない。

 

「何なんだよ、一体。あいつに限ってすっぽかすなんてことはないと思うけどさ。」

 

5分後。

見慣れた人影を植木の間から垣間見た。

 

 

「ごめーん!!!待ったよね!?寒かった?」

「・・・・・。」

「あの・・・・・。・・・つ・・・翼・・・・・?」

 

「遅いっ!!」

 

よほど急いで走ってきたのか、息切れしながら俺を覗き見る

顔を目一杯近づけて怒鳴ってやった。

寒さで既に赤い顔が余計赤くなる。

 

「ご・・・ごめんって言ってるじゃない!包装してたら遅くなっちゃったんだよ!」

「・・・・・包装・・・?」

 

そう言って近くのベンチに腰掛ける。

俺も隣に座って、何かを慎重に鞄から取り出しているの手元を見る。

いつも持っているその鞄から出てきたのは、

どう見ても上手いとは言えないラッピングがされた小包。

 

 

「それ・・・がやったの・・・?」

「うん!」

 

 

何だか誇らしげな

 

 

「下っ手だな相変わらず・・・。」

「なっ!!何よ!コレ頑張ってたら遅くなったんだってば!!!」

 

下手だと言われて怒号を上げる

何だよ、上手いと思ってたのかよ。それで?

 

 

「で。何だよ、ソレ。」

「フーン・・・・・。」

 

あ・・・、ヤバイ脹れた・・・。

 

「もう教えてやんない。翼なんか嫌いー。」

「・・・・・。」

 

グイッ

「わっ!」

 

顔をこっちへ向ける。

 

コツン

 

額を合わせる。

 

「なっ何!何!?こんなとこでちょっと!!!」

が言わないからじゃん。」

「わー!ココ公園だよ!?人いるよ!!?公園だよね!?」

 

もう何言ってんのか分かんない。

 

「言ったら放してやるって。」

「もー!またソレェ!?」

早く。

「・・・・・。」

 

 

ポフ・・・

 

胸元へ押し付けられたそれは、なんだか柔らかかった。

 

 

「メ・・・・・メリークリスマス・・・。」

 

「あ・・・そっか・・・今日クリスマス・・・。」

 

 

ボールばっか追いかけてる俺にとって、

イベントなんてものは頭からスコーンと抜けていて。

 

と会う日は覚えてても・・・。

 

 

「開けていい?」

「うん。」

 

 

そのいかにも下手なラッピングから顔を出したのは・・・。

 

 

「マフラー・・・。これ、が?」

「そうそう!」

「へぇ・・・凄いじゃん!にして・・・は・・・・・?」

「・・・・・?何?」

「・・・・・。」

 

 

感心したのは束の間だっだかも。

 

 

「お前・・・これ長すぎ!!

「ウソォ!?」

「ウソじゃねぇよ!!お前がしてるの見てみろ、こんなに長いか!!?」

「・・・・・・。」

 

何か、こういうところ流石って感じ。

 

「俺、こんなに首太くないんですけど?」

「・・・・・、じゃぁ・・・。」

「・・・じゃぁ、何?」

 

何を思ったのか、自分のしてるマフラーを外す

 

「はい!コレあげるよ!それと交換ね!」

「えぇ!?でもそれ・・・買ったやつだろ・・・?」

「そうだよ?だからちゃんとしたやつだし、色も翼の嫌いなのじゃな」

「いい!コレで。」

「・・・・・でもさ・・・。」

「いいんだって!の作ったやつがいいんだよ!」

 

 

「・・・・・。」

 

「・・・・・。」

 

 

暫く沈黙が続いてしまう。

流石の俺も、人のいる公園で叫んでしまったのは少し恥ずかしかった。

 

 

 

『ちぇ・・・、クリスマスで人が多いの忘れてた・・・。』

 

「ホント・・・?」

「何?」

「今、翼が言ったのホント?」

「な・・・何だよっ!」

「もっかい言って!ね?翼!」

 

 

俺が今してるマフラーを取って、が編んでくれたマフラーを二重にして首に巻いた。

の「お願い」から逃れるようにベンチを立って、

巻いたマフラーを見せるようにクイっと引っ張る。

 

「ほら。こうすれば、イケないこともないだろっ。だから、コレでいいんだよ。」

 

「何かさっきと違うけど・・・。・・・・・ま、いいか。」

 

少し膨れただけど、暫くして嬉しそうに微笑んだ。

に、チョコレート以外の手作りを貰うのが初めてだった俺も嬉しかった。

自分のしてたマフラーより暖かいそれは、貰った瞬間にお気に入りになったんだ。

 

 

 

 

「翼ぁ、『サンタクロースになりたかった女の子』の話、知ってる?」

 

「サンタクロース・・・?」

「うん!サンタクロースって、世界で一番愛されてるでしょ!?私もなりたい・・・サンタに。翼にとっての。」

 

 

 

俺にとっての・・・。

遠回しだけど、いつも俺が言ってるような甘いこと、今が口にした。

そんながいつもより愛しくて・・・。

 

 

 

 

「俺も、お前のサンタになりたいよ。」

 

「ん・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

冬の風が吹く寒い公園の中。

二人の重なる唇だけは、温かかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メリー クリスマス

 

--------------------------------------------------------------

げぼふぁっ!
も・・・萌えっす!(鼻血垂れ流し状態(汚))

良いね・・・良いよ、翼さん・・・。
何だか勢いで押し倒してしまいそう。(どんな勢いだ)

ラグちゃん、有難うございましたーv

 

 

BACK