...色褪せない君こそ永遠だ...
キーン・・・コーン・・・カーン・・・
「っあぁ〜。今日も長い一日が終わったでぇ〜。さて。翼ぁ〜。」
急いで帰る支度をする俺。
呼び止められた時は既に教室の外だ。
「何だよ。」
「何やそんなに急いで。今日暇やったら・・・」
「悪い。」
「・・・・・何やぁ〜つれへんなぁ〜。用事でもあんのか?」
「え・・・あぁ・・・選抜の・・・練習。」
「あぁ〜そんならしゃーないなぁ・・・。」
「じゃぁな!また今度。」
「おー。」
鞄のチャックを閉めるのも忘れて、
靴紐も結ばないまま俺は走って学校を出た。
時計を気にしながら、家とは反対の方向へ曲がる。
久しぶりに通る、歩き慣れたその道を懐かしむこともしないで、
俺は走っていた。
―飛葉中:下駄箱にて―
「あれぁ?柾輝がおる・・・。」
「・・・・・は・・・?」
「何でおんねん?」
「何言ってんだお前。」
「お前、はよ行かんでええんか?」
「どこに。」
「選抜や。翼なんかえらい勢いで帰って行きよったで?」
「今日はねぇよ、練習。」
「え・・・。でもあいつ練習て・・・。」
「何だお前ら、気づいてないのかよ。」
「・・・五助。」
気づいてるだろうけど。
直樹に言った選抜の練習なんてのは嘘。
あいつらに本当のことなんて言えるかよ。
半年前、病気を治す為に引っ越して行った。
と俺は付き合ってる。
そう、つまり彼女・・・なんだけど、
「彼女」なんて言葉で言い表せるほど薄い女じゃない。
俺にとって。
そのが、今日こっちに泊まりにくる。
治療はまだ終わったわけじゃないし、明日には帰ってしまうけど。
が帰ってくるから早く帰った・・・。
なんて。
あいつらに何て冷やかされるか・・・。
特に直樹。
あいつに言われると何だか腹が立つ。
が昔住んでたマンションの部屋の前。
部屋は、また戻ってくる時の為にそのまま借りているらしい。
そこで落ち合う約束になってる。
俺が急いでいるのもその為さ。
待ってる間に発作でも起こしたりなんかしたら・・・。
カチッ
半年ぶりに来るこのマンションの玄関で、エレベーターのボタンを押した。
マンションの前には何度も来てたけどな。
が帰ってきてるかもしれない、とか。思って。
「あぁ、もう。おっそいな!」
普段は気にならないエレベーターが下りてくる遅さ。
待てない俺は隣の階段からの部屋がある5階まで上った。
そして、部屋の前。
「・・・・・いねぇ。」
「なんだよ・・・、まだ来てねーのか・・・?」
かばんのポケットに入れてある時計を見た。
どう見ても、電車の着く時間はとっくに過ぎてる。
駅からここまではそう遠くない。
「・・・まさか。来る途中で発作が・・・・・。」
青冷めてる暇なんてない。
急いで戻ろうと階段へ走った。
鞄をそこへ投げ出して。
ドンッ!!!
ドサッ・・・
「い・・・っつ・・・・・」
階段へ向かおうと、廊下を曲がったところで人とぶつかった。
何かが落ちる音と一緒に。
「おい!邪魔っ!!・・・・・だ・・・。」
「い・・・たい・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
そこで俺と同じように無様な姿でこけてたのは、
頭を押さえてるだった。
「あ・・・翼、か・・・・・ビックリした・・・。」
「ビックリしたのはこっちだっての!来るの遅い!」
「あぁ・・・ごめん。もうとっくに来てたんだけどさ。」
「じゃぁ、ちゃんとココにいろよ。てっきり俺は、発作でも・・・。」
「ははっ・・・違うよ。そこでコレ買ってきた。」
そう言って、さっき落としたコンビニの袋を拾う。
「部屋、何もないでしょう。布団とかは、また来る時の為に置いてあるけど、
水道も止めてあるし、それに今日は翼泊まってくれるんでしょ?」
無邪気に笑らいながら俺を見上げてそう言われた。
・・・・・怒れねぇ・・・。
「まぁ・・・・・いいけど。」
「入ろうよ、中。」
「・・・・・うん。」
カチャリと鍵を開ける音が、人のいない廊下に響く。
開けて見えた部屋の中は、前よりも大きくなったように感じた。
折りたたみのベッド、その上に袋で包まれた布団、
ダンボールが2個、テーブルが一つ。
いかにも、いらないものをそのまま置いていったような、
寂れたこの部屋で思い出すのは、ここで最後に会った日。
俺はあの時、こんなに早くに会えるなんて思ってなくて。
「はい、一応座れる場所作った。」
ベッドの上に置いてあった布団を袋から出し、
それをベッドに敷いて、俺に座れという仕草をした。
コイツがやりそうな仕草で、久しぶりに見て・・・。
「お茶・・・じゃなくてジュース飲もっか。さっき買ってき・・・・・」
トサ・・・
テーブルの近くに置いたコンビニの袋を取ろうとしたを、
肩を掴んで抱き寄せて、
二人一緒にベッドに座り込んだ。
「・・・・・何・・・?」
「いいから。黙ってろ。」
「あ・・・・・ふ・・・。」
肩を抱き寄せたまま、キス。
微かに震えた小さな肩は、逃がさないようにしっかり抱いて。
「お前、変わらねぇな。」
「何が?」
「キスだけでそんなに赤くなるところ。」
「・・・・・。」
「何だよ・・・。」
「翼の、すぐキスするところも変わってない。」
「いいじゃん。」
「いいじゃんって、そんな・・・・・んっ・・・。」
言い終わらないうちに口をふさいでやった。キスで。
すぐに赤くなる、そんなが好きだったりもするんだけど。
半年ぶりに会ってキスするなって方が無理っぽい。
俺の鞄の中で、いつの間にか押されたMDの再生ボタン。
小さな音で、微かに流れてる。
の吐息しか聞こえないこの部屋では、
イヤホンから流れる小さな音でも大きく聞こえた。
「何の歌・・・?」
「『色褪せない君こそ永遠だ』。」
「え?」
「曲名。お前っぽいだろ?」
「・・・・・。」
「もう。すぐ赤くなる。何だよこんなことでさー。」
「だって・・・恥ずかしいじゃんそんなの・・・。」
「歌詞も言ってやろうか。お前が赤くなりそうな部分。」
「いいっ!いいよ・・・恥ずかしいから・・・。」
だめだ・・・。真っ赤になってるこいつ・・・。
でも、それが俺にとっちゃたまんないんだけど。
キスだけで許してやらないもんね。
「つまんね。」
「あ・・・?わっ!ちょっと翼っ!」
を抱き寄せてそのままベッドに寝転んだ。
じたばたするの首筋に手を当てて、もう一度唇を重ねる。
しばらく大人しくなってたけど、唇を離すとふと我に返ったように・・・。
「あぁ〜!待って待って!!」
「今更、恥ずかしがるような仲じゃないだろ?」
「そっ・・・そうだけど、いやそうじゃなくてっ!!」
「黙ってろって。今日しかないんだから。」
「ぁ・・・・・・・・・・。」
抱擁。そしてキス。
身体中を優しく撫でてやると、小さな呻きを漏らした。
「また戻ってこいよ・・・。待っててやる。」
「・・・・・うん。」
半年ぶりに会ったってのに。
気持ちは半年前と変わらない。
明日になれば、はまた行ってしまう。
半年前と同じなんだから。
でも、今俺はに触れている。
俺だけのに。
―その頃・・・―
「なるほど、そういうことかいなぁ〜。」
「気づいてねぇの、お前だけだろ。」
「何や・・・?皆気づいとったんか!?」
「あんなに急いでる翼。珍しすぎてソレ以外に考えらんねぇよ。」
「分かりやすいんだよあいつは。」
「限定だけどな。」
END...
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色褪せない君こそ永遠だ
いつしか見たような大樹の根元で
夢の中で出遭った君を待っていた
僕のいない世界の君を待っていた
いつまでも脱ぎ捨てられない服を着て
絡まった鎖を連れたまま
向けられた銃口を見つめ続けているのさ
たとえ 引金に添える指が君のものでも
抱き寄せて
触れ合って
存在を確かめたなら
君の為に僕は死ねるんだ
いつまでも絡まった鎖はまだ僕の手に
そんなもの おもちゃのナイフで斬ってやる
そして色褪せない君を探しに行くのさ
たとえ 鎖の痕が手に残っていようとも
走り出して
追いついて
存在を確かめたなら
君は夢から現実に変わるんだ
そうさ
色褪せない君だから
僕は 君を想う為に 生まれてきた人になれるのさ
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あ・・・甘・・・甘・・・甘・・・。
翼様っぽくなくなってしまいますた。(ぶ)
でもけっこう楽しんで書けました。
しかしまだまだです。
もう一度出直しじゃぁ・・・。
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ラグちゃん、何謂ってんの!
最高じゃないの!ちょっと!!
萌えですよ!(萌え謂うな)っつーか、いつもいつも二岡の我侭きいてくれてありがとーv
このお返しは。。。いつか。。。
。。。とか謂いつつ、何もお返しできないんだろうな〜。(笑)