課題と条件

 

 

 

「翼!これもこれも!」
「……お前俺を何だと思ってんの…?」
「ん?やだなぁ、彼氏だと思ってるよ」



そう言いつつドサっと目の前にノートだとかワークだとか出してきたのは
俺の彼女の
その後、出してくる物といえばシャーペンとか消しゴム


「さぁ張りきっていこうか!」
「何が張りきっていこうか!だよ…何?この量…」
「見ての通りだよ。時間がもったいないから早くやろう!」


明日から新学期
の部屋で俺がやらされようとしていることは…
の宿題の片付け…
もちろん俺の分はとっくの昔に終わってる
それを良いことに俺にまで自分の宿題をやらせようっていう魂胆だった


「お前こんなに溜め込んどくなよな…何もしてないくせに。夏休み中に何やってたの?」
「んー…色々ね…忙しかったんだよ、これでも。
 やるって言ったからには最後までやるんだからね!」
「わかってるよ…代わりにお前もな」
「いいからいいから。あ、翼はこれやって」


…全く話を聞いちゃいない
適当に話を流されて前に出されたのは中身が真っ白で
何も手をつけていない問題集らしきもの

「言っとくけどと俺とじゃ全然字ぃ違うんだぜ?
 いいのかよ。疑われても俺は知らないからなー」
「いいんだよそんなの。誰もちまちま字なんて確認しないって!」
「そういう問題じゃないと思うけど…」
「いいからほら〜。早くしないと日が暮れちゃうよ!」
「わかったって…」

…何で俺がこんなことしなきゃならないんだ…
普通なら俺は例え彼女の頼みだろうが何だろうがこんなもの受け付ける性格じゃない
面倒なことはやりたくないし、宿題やらないから頭悪くなるんだろうから
出来るだけやらせたいし…


それでもやってるのにはわけがある…
ことの発端はこの前、の家で遊んだときだった





「あのさー翼…お願いがあるんだけど…」
「やだ」

何だか神妙そうな面持ちで話しかけてくる
口じゃ滅多に言わないけど普通ならここで自分の可愛い彼女の頼みを聞かないわけでもない
というか俺はそこまで薄情じゃない
聞くだけならタダだ

でも今回だけは例外…
なぜなら…


「何で!まだ何も言ってないよ?聞いてくれたって良いじゃん…。
 いつもは何だって聞いてくれるのにー!」
「だってお前…」


なぜ聞かないかと言えばこいつの態度
正座までしちゃって背筋ピンと伸ばして今にも泣きそうな目をして不自然極まりない
今まで頼みごとをしてきた時でもこんなパターンはなかった
…怪しい


「ねぇ…せめて聞いてほしいんだけど…聞くだけならいいよね?」
「やだね。どうせお前のことだから宿題俺にやらせようとか
 写させてもらおうとかそういうのだろ?」
「う゛…すごいね…よくわかったじゃない…じゃあ…」
「やらないからな」


そっけなく断ると目尻に涙を浮かべて俯いた
そんなことしたって無駄だってのに
今までそれに何度騙されたことか…
俺だってダテに長く付き合ってない
それくらいお見通し


「明日から学校なのにさ…」
「溜め込んどくが悪い。自業自得って言うんだよ。覚えとけ」
「あー!先生に怒られるんだー!翼のせいだって言ってやるー!」
「俺は真っ向から否定するからいいよ。何とでも言え」


そう言うと何を思いついたのか電話をとる


「何する気?」
「マサキん家行ってやってもらうからいいもん」
「マサキは1つ下だろ?わかるわけねーじゃん」
「じゃあ五助とナオキ」
「頭脳的に無理。っていうかあいつらも片付いてないから意味ないんだよ」
「じゃあ翼しかいないじゃん!」


喚く…ひたすらに喚く…
思ったより深刻そうなのでちょっと可哀相になってきた…
けどここでハイやりますと正直に言う俺でもない


「お願いだからやってよー一緒に…。ほんと終わんないんだよー…」
「溜めとくお前が悪いんだけどな」
「わかってるよ…次はもう大丈夫だから今回だけお願い…」


出た…の最後の手段…
思いっきり顔を近づけて泣きそうな顔をして上目遣いで言ってくる
はっきり言ってこれで大体俺も負ける
どんなに固い意志を持ってる奴だろうとこれをされれば誰だって負ける
…でもなー…


「…わかったよ。ちょっとだけな」
「ほんとに!?翼大好きー!!」


現金なこと言って後ろにのけぞりそうなほどがっちりと抱きついてくる
…俺もまだまだかな…
でも今回はタダでやるのも惜しい


「その代わりさ」
「…何?何かつけるの…?」
「ん?やってほしくないならいいけど?俺は全然構わないし」
「…いいよ…何でもするよ…」
「そ。まぁ宿題終わるまでに考えとくよ」
「わかった。絶対宿題やってね」
「わかってるって」




そんなこんなで今に至る
我ながらバカげたことしてるなーとも思う
思ったより宿題の量も多くて大変だけど、やっぱり2人でやると早い
といっても俺が1つ終わってもはまだ半分ってくらいのペースだ…


…遅い…」
「だってわかんないんだもん…翼はスラスラ出来るんだろうけどさ…」
「そんなんじゃ終わんないぜ?」
「わかってるよー!」


焦ってるせいもあってか全然先に進んでない
これじゃあ俺が全部片付けるようなもんだ
窓の外を伺うと、もう日が傾いてきている
俺がここに来たのが午前中だったから相当時間が経っていることになる
一日中こんなことしてるわけだから…すげーかったるい…




「終わったー!!」
「良かったな…おめでとう…」


がやってるのが最後だったらしく、どうやらこれで全部らしい…
両手を揚げて無邪気に喜ぶ
そういうところがまた可愛いとも思う…
どうでもいいけど何時間かかってんだよ…
ほとんどやった俺は以上に疲れたような気がする…


「ゴメンね、翼…」
「手が腱鞘炎(けんしょうえん)になるかと思ったよ…」
「結局半分以上やってもらっちゃったね…ゴメン」
「いいよもう…そうそう。約束覚えてるよな?」


「え?」


…こいつ…すっとぼけるつもりか…?
笑ってはいるけど妙にひきつってる気がする
今の間といい何といい、不自然だ…


「まさか忘れたとか…言わせねーからな」
「…わかってるよ…冗談だよ…」


俺の得意な笑みで脅しかけてみると潔く認めた
当たり前だ…忘れてても思い出せてやるからな


「で?何をしろと?」
「んー…そうだなー…いざとなると困るな…」
「早くしてよー…」
「じゃあからキスしてよ」


「は?」


そのまま固まる
全くそのままの表情で…すごいマヌケ面…


「…何だよ、不満?それくらい良いだろ?」
「…え…でもそれだけで良いの?」
「じゃあもっと別なことでも良いんならそっちお願いするけど?」
「い…良い!それで良い!」


微妙に頬を赤く染めて必死に否定する
何だかわかっただけ偉い偉い
本当はもっと別なことが良いんだけど…疲れててそんな気分じゃないし
それにそんなこと言ったって無駄だろうし…
妥当にこれくらいで手を打ってやるってんだから安いもんだ


「ほらほら」
「…わかったよ…」


俺ととの距離が縮まる
そして軽く…触れた…




「…お前…何それ?今なんかやった?」
「しました。正真正銘」
「俺がいつもしてやってんのと全然違うじゃん」
「あ…当たり前でしょ!!出来ないよあんなの!やだやだ!」


恥ずかしがってるのか、両手をブンブン振り回して否定する
何か言ってるこっちが恥ずかしくなってきた…


「とにかく!したっていう事実は事実だよ!ヘリクツ言ってもダメだからね!」
「…別にいいけどさ…」
「…何?…………っ……!」


肩を抱き寄せて唇を重ねる
さっきののとは違う、深い口付け




何秒か経ってから解放してやると、苦しかったのか呼吸を整えようとしている


「…がした意味ないじゃん!」
「あるって。っていうかキスっていうのはこういうのを言うんだよ。
 あんなのダメだからな。覚えとけ」
「……う゛〜……バカ…恥ずかしいなもう…」


本当に恥ずかしそうに俺の腕の中に埋もれる
そんな彼女の背中に手を回して抱き締める
…結局俺ってに甘い…




始業式当日、あろうことかせっかくやった宿題を家に忘れてきて
結局は怒られたらしい…
俺の努力が無駄になった…
…それでも別にいいけどね






――――END






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…何だよこれは…(泣)相変わらず甘いです…デロデロ〜…(死)
しかし甘い!っていうか誰だあんた!(泣)
ラブ要素が多いです。最後ら辺。
これは18888HITゲッターの二岡。様に捧げます!遅くなって申し訳ありません!(泣)
煮るなり焼くなりどうぞご自由に!(言ってて悲しい)
もらってやってください!(〜〜。)
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はううっ!(鼻血)
素敵過ぎます!本当にっっっ!!!
しかも謂ってもいないのに、私好みな甘めドリーム。。。
ああ、もう最高ですvvv逝ってもよい〜v(なら逝け)
唯さん、本当に有難うございました〜っっ!!(T▽T)

 

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